なぜブルーフラッグ取得を目指すのか?

湘南地域の海岸では、神奈川県と相模湾沿い13市町が出資して運営するかながわ海岸美化財団が海岸清掃を実施しています。また年間延べ約15万人のボランティアによる自主的なビーチクリーンも行われています。しかし、海水浴客や観光客によるBBQや地引き網後のごみ放置、花火大会後のごみ問題は特に深刻で、この十数年間、海岸ごみの総量は減っていないのが現状です。
では、どうすれば海岸ごみはなくすことができるのでしょうか。もちろん原因は複雑で、解決策は一つではありませんが、当研究所では一つの答えにたどり着きました。それは「海岸ごみは、ビーチだけでなく発生源の河川や街を含めた地域全体で、自治体・企業・市民が連携して取り組まない限り解決できない」と言うことでした。
この問題意識を持つようになった2011年、ブルーフラッグ制度が日本にもあることを初めて知り、FEEの日本支部であるFEE Japanを訪問しました。その結果ブルーフラッグの認証を受けるには、水質調査をはじめ、ごみの分別、生態系の保護、環境教育、バリアフリーの整備、環境マネジメント計画の策定などが必要であることが分かり、これは、まさに当研究所が目指していた地域全体で取り組むべき海の環境活動そのものでした。ブルーフラッグを目指すことによって、各種関係者が協力する体制が生まれ、ビーチの持続可能な発展が期待されると考えました。

アジア初のブルーフラッグ認証取得

NPO法人湘南ビジョン研究所は、「湘南海岸からアジア初のブルーフラッグ取得をめざす」とNPOでは全国で初めて宣言し、湘南地域の9市町の首長にブルーフラッグ取得推進を提言。最終的には鎌倉市長がブルーフラッグの趣旨に賛同し、「由比ヶ浜海水浴場」でブルーフラッグ取得を目指すことを記者会見で公表しました。その後、由比が浜茶亭組合長をはじめ様々な関係者のご尽力により、ブルーフラッグ取得に向けた活動を進めました。
2016年4月、コペンハーゲンで開かれたFEEの国際審査会に置いて、神奈川県鎌倉市「由比ヶ浜海水浴場」と福井県高浜町「若狭和田海水浴場」がアジア初のブルーフラッグに認証されました。さらに、2019年4月、千葉県山武市「本須賀海水浴場」と兵庫県神戸市「須磨海水浴場」が認証され、国内において4ヶ所のブルーフラッグビーチが誕生したことで、日本でもブルーフラッグの認知度が向上し注目され始めました。
2020年4月、江の島海水浴場協同組合は、神奈川県藤沢市「江の島片瀬西浜・鵠沼海水浴場」でのブルーフラッグ取得をめざすことを表明。当研究所は、ブルーフラッグ取得に向けて、江の島海水浴場協同組合と協力し、2021年4月、国際認証「ブルーフラッグ」を取得しました。
2021年、逗子市「逗子海岸海水浴場」と「リビエラ逗子マリーナ」の取得に向けたサポートを実施し、2022年4月、逗子市「逗子海岸海水浴場」と「リビエラ逗子マリーナ」共に、ブルーフラッグに認証されました。2024年は新たに2つの海水浴場が認証を取得し、現在、国内認証ビーチ&マリーナは、14ヶ所になりました。(うち神奈川県内は5ヶ所)

ソーシャルマガジンVol.50では
江の島海水浴場協同組合が「江の島片瀬西浜・鵠沼海水浴場」でのブルーフラッグ取得をめざすことを表明してから、取得するまでの活動の全てをまとめました。
ブルーフラッグ認証取得検討の参考に、取得の計画作りにお役立てください。

当研究所ではご相談にも対応しています。info@shonan-vision.org

ビーチのブルーフラッグ認証基準

1. 水質

「次世代の子どもたちへキレイな海を」

ブルーフラッグを取得するために最も重要な基準の一つは水質です。
ブルーフラッグ認証は、毎年の更新が必要であり、海水浴場開設中に指定の項目を計測した結果は、認証更新の指標として判断されます。
湘南ビジョン研究所では海岸ゴミがないビーチを目指し、ビーチクリーンにも取り組んでいます。

2. バリアフリー

「すべての人が楽しめる海に」

ブルーフラッグを取得するためには、ビーチのバリアフリー化が必須です。水陸両用車椅子の導入、海岸へ降りるスロープの整備、ビーチマットの整備、障がい者用トイレの設置、多言語表記の看板の設置など、ユニバーサルデザイン化に取り組んでいきます。

3. 安心・安全

「誰もが安全・安心に利用できる海へ」

ブルーフラッグは、「世界のビーチ共通の安心のしるし」と言われています。法令遵守はもちろんのこと、ライフセーバーの適正な配置、救護室の整備、救護用具、応急処置道具の配備など、さらに高い水準で安心・安全を守ることが求められています。

4. 環境教育

「海を学び、海を守る人を育てる」

ブルーフラッグを取得するためには、ビーチのある地域で、①環境問題、②ブルーフラッグに関する課題、③経済と環境に関する持続可能性の実現に向けた課題をテーマにした環境教育を5種類以上実施いなければなりません。湘南ビジョン研究所は、「海」の環境教育に特化した市民大学「湘南VISION大学」を開校しています。

BLUE FLAG Japan サミット

〜海を守り、未来をつくる〜

湘南ビジョン研究所では、ブルーフラッグ認証取得海水浴場と連携して、「BLUE FLAG Japan サミット」を開催しています。
※画像をクリックするとの報告書(PDF)が開きます
 

 

お問合せ

ブルーフラッグ認証取得についてのご相談、お問合せは下記まで、お気軽にお尋ねください。

NPO法人 湘南ビジョン研究所

理事長 片山清宏
所在地 〒251−0027 神奈川県藤沢市鵠沼桜が岡3丁目9番29号
MAIL   info@shonan-vision.org